ファントム (ENo.6)
ビー玉はそこにあった。
正しくはビー玉ではないのだが、見た目はビー玉っぽい。

ぽつねんと、街の隅っこにそれはあった。
たまにゆらゆら揺れている。
魔力の殻で余り多くのことはできないが、とりあえず移動はできる。
魔法の類で物拾いくらいも多分できる。

「…………チッ

ビー玉は舌打ちした。ビー玉なのに。
ビー玉は機嫌が悪そうだ。
2025-11-16 04:38:35 #226
> ファントム(6)
――― (ENo.2)


いつの間にか、誰かが傍に立ち尽くしている気配だけがある。


2025-11-16 04:48:09 #229
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
人の気配。誰かの気配。
肉体がちゃんとあればきっとそちらをじろりと見ていただろうか。

「オイ。何だお前」

不機嫌そうな声が飛ぶ。
2025-11-16 04:49:53 #230
> ファントム(6)
――― (ENo.2)
答えない。応えもしない。
ただ立ち尽くして、貴方を見下ろしているであろう気配だけが存在する。

しかし数十秒の間隔を挟んで、貴方の目の前にそれは屈んだ。
その視界に自分を収めさせるように。



もし貴方がそのまま気配を見たのならば、きっと貴方は今一番会いたいと考える対象に出遭うだろう。
好感か嫌悪感かは問わない。ただもう一度顔を見たいと思うならば、それはその場に存在する。
もしそのような精神干渉を弾き返す術や体質を持っているならば、その限りではない。
2025-11-16 04:54:40 #231
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
さて。
ビー玉はこれでも、幾つもの世界を壊してきた破壊者だ。
今こそ分厚い魔力に封じられているが、封じられているだけで力が完全に衰えている訳では無い。

魔術の類ならば大抵は弾く。
が、それに限らない精神干渉においては少しばかり隙はあるだろうが――”何か干渉された”という感覚をこれに残し、

「……オイ。何してやがる」

残すだけで、きっと終わった。
魔力を通じて響く声が一段低くなる。

――会いたいと考える対象が、一切ない。

深く己に関わった者に対する嫌悪こそあれど、それは心の底から二度と見たくないものだ。
関係のない所で勝手にしていれば良い。
2025-11-16 05:05:12 #232
> ファントム(6)
――― (ENo.2)
会いたいと考える対象がいない貴方から見れば、その顔には暫くノイズが走り続けていただろう。
その存在を秘匿し、貴方を惑わせようとする何かによって。

しかし干渉のベクトルは行き場がない故に、そのうち霧散して貴方の“干渉される感覚”は薄まっていくだろう。

「……、」

意図を持った吐息が、ノイズの奥から聞こえる。
確かに何かが其処にいる。

2025-11-16 05:12:32 #234
> ファントム(6)
――― (ENo.2)
「……すごい、な」

たどたどしい男性の声が、ノイズと揺らぎの中で響く。
徐々にそれらは弱まっていき、輪郭が形作られる。
稀有な存在である貴方に敗北したかのように、それらがなくなった先に、

2025-11-16 05:14:01 #235
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「……君は、」
「ひとりなんだな」

全てがちぐはぐの色を持つ男が、貴方の目の前で屈んでいた。
2025-11-16 05:15:17 #236
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「だから何だ」

音だけで響く、強めの舌打ち。
じっと貴方の変化を見ていて、その内干渉が消えれば不快感は多少マシになったのか。
ある程度の受け答えはする気分にはなった。

「そもそもヒトサマとの出会い頭に何してんだてめェはよ」
2025-11-16 05:18:54 #238
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「珍しいと思って、」

誰も恋しくない人なんてそうそういない、大抵の人はどこかで誰かを思い浮かべる。
それを全く思い描かない者に出逢ったのは初めての経験だった。
舌打ちをされても表情を動かさないまま、虚ろな瞳はただ見下ろす。

「悪気はない」
「こちらでコントロールできない、許してほしい」
2025-11-16 05:21:45 #240
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「はァ??」

言われている事がわからないとばかりに疑問符を付けて端的に返した。
珍しい。人ならば間違いなくそれはそうだろう。
答えは単純で、これは人ではない。

「はァ???」

二度目だ。

「ンだよ垂れ流し系の何かか?
 何しようとしてるモンか知らねェが、お前面倒くさそうな奴だな」

口も発せられる言葉も悪い。
2025-11-16 05:25:27 #242
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「会いたい人、いないのか。誰も」

コントロールが出来ないものの、自分の力の内容を理解はしている。
ただ端的に問いかける。自分の能力の内容を明かさないままに。

「許してほしい」

此方も二度目。

「出会った人は、自分に“会いたい誰か”を見る。
 君は、見なかった」

面倒くさそうだと言われても、不思議そうに首を傾げるだけだった。
2025-11-16 05:29:41 #244
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「いねェよ。いてたまるか。クソ食らえだ」

声が不機嫌そうになる。
許して欲しい、の言葉にも反応を示さず、許すも許さないも告げなかった。
このビー玉はそういう奴だ。

「はァーん?なるほどねェ。
 そら人間には良く効きそうなこった。
 生憎だが俺はそれじゃねェもんでね」
2025-11-16 05:33:59 #245
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「ひとりが好きか」

その存在ごと否定と拒絶をぶつけるかのような勢いに、問いかけは次に転じた。
結局許されるかは分からないままだが、それを気に留めた様子はない。
此方も此方で、会話が下手だった。

「人間ではない、と?
 では、君は……何か」

軽く手を翳せば、何かしらの力を感じることは出来る。
しかしそれは明瞭ではなくて、貴方が何かを知ることまでは不可能だ。
2025-11-16 05:40:27 #246
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「他の存在が最ッ……高に嫌いなだけだ」

ふん、と鼻で笑うような音と問いかけへの答え。
何だかんだちゃんと会話は一応するだけ、成り立ってはいるだけ、恐らくマシだとも言えようか。

非常に濃い魔力の殻の中、そこに渦巻くものはこれ、とは的確に言い表せない。
あるのは外側を覆うそれとは異なる質の魔力と、人間の、あらゆる生き物の負の側面を、感情を全て煮詰めたような何か。

「さァ~てな、ンなこたお前に関係ねェだろうがよ。
 つーかヒトサマに聞く前にてめェの事喋れや」

聞いてやらないこともないが?とばかりの声色だった。
態度が悪い。
2025-11-16 05:46:26 #247
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「どうして」

初めて出会うタイプの対象に、疑問は尽きない。
能力の影響を受けないだけでも珍しいのに、目の前の球体は今までの誰も言わなかったようなことを言う。
否──言う者はいたが、誰も本心じゃなかった。誰かを思い描いていた。
貴方ははっきりと自分にそうではないと示したので、嘘ではないことは明確だった。

それらの全てを読み取ることはできない。
ただ複数種の魔力のようなものと、あまり宜しくなさそうな感情の雰囲気は何となく。
“彼”が見たら喜びそうだと思った。

「ん」
「……ノースポール」

喋れ、と言われたので確かにと思って、自分の名前だけを言った。
他に何か?と首を傾げて示す。
此方も此方で態度が良いとは言えないだろう。
2025-11-16 05:51:48 #248
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「嫌いだからだ」

理由になっていないし、答えになっていない。
ただただひたすら嫌いだった。
嫌悪感がある。特に知性を持って群れる人間やそれに準ずる存在が。

証明した通り、本心だ。
理由はもしかしたらあるのかもしれないけれど、現時点でこのビー玉はそれを認識していない。

「ノースポールぅ?
 長ェな。縮めろ」

名を告げられると文句を返した。
無茶を言う。
2025-11-16 05:56:11 #250
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「なんだか、ムカつく?」

言語化できない嫌悪感も、逆に好感も珍しい話じゃない。
しかしここまで徹底したものには根があるのではと思わざるを得なかった。
それを追及できるほどの気概はないが、本当に生理的に無理なだけかもしれないし。

「……? ノース、」

そんなことは初めて言われた。
しかし従順に、短く纏めて返す。
2025-11-16 06:01:43 #252
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「腹が立つ」

チッ、と舌打ちの響き。
今の感覚と言えば貴方の言うようなそれに近いのだろう、故にそのことにもどうやら腹が立ったらしい。
難儀なビー玉であった。

「ノースな。
 で、お前はなんでここにいんだ。つか何処だここ」
2025-11-16 06:04:10 #254
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「腹を立たされることにも、腹立つか」
「おれにも、か」

自分は最早人間と言っていいのかは分からない。
しかし少なくとも“元人間”であるのは間違いない。
故に、その嫌悪が自分に向くのか気になった。

「世界を移動していたら、辿り着いた。
 ここは……知らない世界、だ」

辺りを軽く見回した。
しかしやたらと落ち着いていて、見知らぬ世界に怯えたりはしない。

「害はない、歓迎されてる気がする……」
2025-11-16 06:11:13 #256
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「腹が立つ。あ?」
「イラつきはするな」

二度目の腹が立つ、という答え。
それから問われた事には思うままを答えた。
少なくとも良い答えではないのだが、きっとこれはどんな存在に対しても似たようなことを返す。

「はァーん……移動していたら、ねェ。
 歓迎ィ?んなもんどうして分かるんだ」

移動していたら、という点では似たようなものだ。
世界移動の術くらいは持ってはいるが、今の状態では余り満足に使えない中ビー玉はここに転がされていた。

歓迎、の言葉には訝しげな声が上がる。
2025-11-16 06:15:43 #258
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「なるほど……イラつく」

それに対して、怒ったり悲しんだりもしない。
貴方のそれもきっとそういうものなので、ありのままを受け止めた。
自分が人間判定かは分からずじまい。

「君は……移動、できるのか」
「歓迎は……何となく。
 敵対的ではない、と思うから」

自分以上に、何故貴方は此処にいるのかが不思議に思えた。
満足に動けそうな見た目では決してないだろうに、と。

訝しげな声には、やや首を傾げながら答える。
というのも、何となく感覚でそう感じるだけで説明が難しかったのだ。
2025-11-16 06:24:09 #259
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「イラつく」

二度目だった。そういうのが多いビー玉だ。多分強調している。
さて、人間かどうかはさておき恐らく感情面だとかが希薄に感じるのか、感覚としてイラつく、程度に留まっている節はある。
怒るも悲しむも無い事につまらなさは少々あるけれど。

「あ?できるが?……ンだそれ。
 てめェの感覚かよ」

移動は、という言葉に左右に転がった。
見た目通り球体なので、転がって移動する。
満足に動けないのはそれはそうだが。

そうして問うた答えにはまた訝しげな色が声に乗ったが、それだけだった。
2025-11-16 06:31:08 #260
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「言われたの、久しぶりだ」

誰かを隔てて言われたことこそあれど、“自分自身”にはほぼない。
そもそも自分に話しかけてくれる人は少数だった。
──自我の薄さが影響しているらしいことを知らぬまま、男は会話を続ける。

「遠くに行くには時間が、かかりそう」

動く貴方を認めたが、しかし距離はビー玉が転がる分でしかないだろう。
男は許可も取らないままつまみ上げようとする。

「実際……何かに襲われたりはしてない。
 周りも豊かだ……俺達の為、みたいに」

それが世界が敵対的ではない証拠だとでも言うように語る。
2025-11-16 06:42:26 #261
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「ふゥん」

反応は薄かった。
貴方自身ではなく、別の誰かとして見られる事が多いのならそれはそうだろうな、とも思った。

「…………オイ、何してんだオイ」

ビー玉が転がれる距離なんてたかが知れている。
遠くへの移動に時間がかかるのはもっともで、しかしてつまみ上げられると抵抗のつもりなのか、あちこちへ動こうとするのか力が入っているような、動く感覚があるかもしれないが。

その力もやっぱりたかが知れていた。

そうしてこの世界が敵対的でない証拠、というように語られる事に関しては、少し後に舌打ちを返した。
確かに襲われはしていないし。
2025-11-16 15:02:24 #265
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「……移動、させようかと」

つまみ上げようとしたそれが指の隙間から逃げようとするから、落としかけてはもう片方の掌でキャッチした。
まるで内部に機械でも入ったおもちゃのようだ、なんて思う。
しかし抵抗力が押さえつけられる程度のものであるのは、少々意外だ。

「君はどこから来た。
 名前は、何」

舌打ちを繰り返す貴方に対し、此方も急に問い質す。
2025-11-16 15:15:13 #266
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「……くっそ、体がこんなんじゃァなけりゃ」

忌々しげに小さく呟いて、その内とりあえずは大人しくなった。
時折不満げに左右にビー玉は揺れる。
大した力が無い、ビー玉相応である。

「……」「ファントム」

何処から来た、には答えずに、一拍開けて呼び名は告げた。
2025-11-16 16:11:02 #267
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「最初からこうではない、か」

流石にこれでは生き物として欠陥がありすぎる。
何となく察してはいたが、その声で確信した。
別の身体があった時代──貴方はどんな存在だったのだろうか。

「ファントム、」
「幻影、亡霊……」

答えられなかった質問にはやはり問い直さない。
戻ってきた答えだけを受け入れ、その名前の意味を考えながら歩き始めた。
──すぐ傍に石碑があるのに気づき、目の前に立ち止まる。
2025-11-16 16:56:32 #268
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「当たり前だろ」

ッち、ともう何度目かもわからない舌打ち。
自分の現状が惨めであるという事は思っていて、忌々しげだった。

「……」

名を繰り返し、一般的に知られる意味合いを呟く様にため息が出た。
幻影。亡霊。
それは総じて、実体の無いものだ。
あるか無いか分からないもの、あるけれど触れられないもの、見えないもの。

態々それを語る理由もないので、黙っていたが。
そうして立ち止まった貴方に、訝しげな声を上げた。

「何だ?……あ?何かあるのか」
2025-11-16 17:06:18 #269
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「こうされたのか、なら何故」

貴方がこの状態を良く思ってないのは分かる。
何となく忌々しげにする様子から、誰かに意図的にそうされたのかと考えた。
勿論、自身の失態によってみたいな話もあり得なくはないが。

「それは通称か」

個々人につけられる名前と言うより、名称や単語を名前の代わりに貼り付けられたような雰囲気。
本名の可能性もあるが、そんな想像が頭を過る。
途中で掌を石碑に少し近づけ、全文が視界に入る位置で止める。

「文章だ。読めるか」
2025-11-16 17:13:31 #270
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「……教えてやる義理はねェ」

失態と言えば失態のようなものではあるか。
好きなようにあちこちを破壊し周り、好きなように振る舞って、その結果とある場所で封印された。
それもこんな惨めな姿にさせられて。

「そんなもんだ」

端的に返す。
貴方の思う通り、通称のようなものであり、とはいえ元々の自認がそれだからというものもある。
言ってしまえば、”名”がない。

そうして石碑を暫く眺めていたのだろう、少しの沈黙を置き。

「意味分かんねェこと書いてあんな」
2025-11-16 17:20:57 #271
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「理由はあるんだ、な」

先程の言語化できない感情と違い、明確に起因する何かがある。
それを収穫として、これ以上の質問を無意味だと判断して切り上げる。
貴方の態度からして一度教えられなかったものを、繰り返し尋ねても教えてくれそうにはない。

「似たようなものか……」

自分の伝えた名前も、謂わばただの名詞をつけられたものである。
確かに自分を示してはいるが、固有名詞ではない。

「……帰りたいなら、何かを差し出せと世界がそう言っているらしい」

分かったような口振り。
2025-11-16 17:41:08 #272
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
舌打ち。これは肯定を示していそうだ。
貴方の判断はまさにその通りで、一度答えなかったものを答える事は早々無いだろう。
少なくとも今の態度や様子では。

似たようなもの、という言葉にはふゥん、と鼻を鳴らすような音。

「……」「はー、なるほどねェ」
「その何かとやらを差し出しゃ終われるわけね」

なんで分かるんだ、とは今度は聞かなかった。
多分そういうものなんだろう。

「面倒くせェな」
2025-11-16 17:48:07 #273
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
顔もないのに分かりやすい、態度が単純だからか。
表情から読み取れないのは他人に合わせるノースにとって不都合だったが、案外問題なさそうだった。
その態度が今後変わるかどうか。
今のノースは能動的に変えよう、とは思わなかった。

「それさえあれば自由にしてくれそう、だが……。
 てのひらに、収まる宙とは……なんだろう」

そう、“そういうもの”だ。
自然と世界に耳を傾けられるようになっただけで、ノースも原理を理解していない。

「帰る理由がないなら、わざわざやらなくても良さそうだが」

住むだけなら苦労しなさそうだ。
晴れやかな空の下、廃れもせずに残る幽霊都市を見た。
2025-11-16 18:05:14 #274
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
言葉も態度もこれはとてもわかり易い方だろう。
もっぱら今は、このビー玉状になっている事と、見知らぬ場所に勝手にすっ飛ばされた事で機嫌が悪い。
故にそれに伴った態度になっている。

「さてな。
 が、運命がどうとか書いてンなら力かそれ相応の何かか。
 ……」

謎掛けというか、それに近しい何かというか。
ビー玉は何かを考えていたのか、じっと文章を眺めやっていたがやがてフン、と鼻を鳴らす音を出す。

「帰れる力に等しい何かがあンだろな。
 帰るも何も俺はただ自由にしてェだけだし、利用できそうなモンなら集めてやっても良い」
2025-11-16 18:13:06 #275
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
ずっとイラついているので、元からそういうものだと思っているらしい。
すっ飛ばされたのが一因だと思っていないのは、此方は半ば意図的に辿り着いたので前提が違うからか。

「自由に、……は、してもらえると思う。
 好きな場所に、好きなように……思うが儘、に。
 与えてもらえさえすれば、それを望んでくれる」

それこそ、運命を掌中に収めるという表現が似合うように。
世界はそれを与えてくれる代わりに、何か代償は必要なのだろうと感じた。
──世界は、そこに辿り着かせたがっている。そんな感覚だった。

「集められるか?」

その見た目で、という感じの眼差し。
2025-11-16 18:23:15 #276
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
今は不機嫌寄りなだけで、本来はもう少し享楽的だ。
最もその享楽的な側面は、世界を壊す、人を壊す時等に滲むことが多いが。

「ふゥん。なるほどね」

この殻をどうにかさえすれば、元々己は世界渡航ができるのだから自由になれる。
故に好きな場所に、というものには興味がなかったが相応の力がありそうならば利用できそうとも思った。

が、問いかけと眼差しに一拍。

「やりゃァ分かるだろ」

貴方の手から転がって落ちようとして、何処かへ行こうとする。
2025-11-16 18:30:49 #278
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
貴方の内部に渦巻くものにまだ気づいていないからか、貴方がどういう存在かも、どうなりたいのかも分からない。
ただ掌から落ちて転がっていくのを目で追いかけてから、後ろをついていく。
この状況から変わりたい、という意思はあるのだと認識した。

「何処に行く?」

今は街の中心部、行き先は四方何処にでもある。
どこまでこの世界が続くかは分からないが、まだ見ぬ地もあるだろう。
ノースはただついていくことにした。
2025-11-16 18:41:02 #279
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「何処だって良いだろ」

ころころ。貴方の手から落ちたビー玉は適当な方角へ転がり始めた。
心無しかちょっと早い。ころころころ……。

>
2025-11-16 18:43:21 #280
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
🎲31 25刻みで場所決め
2025-11-16 18:44:13 #281
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
(>何処かへ続く道移動しま)
2025-11-16 18:44:43 #282




ファントム (ENo.6)
ビー玉は転がっていた。
ころころ。……………。


奇妙な事に近場にあった宝石が幾つかついてきた。
多分拾った扱いになってる。
2025-11-16 18:47:07 #285
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
その光景はノースに、何やら既視感を抱かせた。
この男は殆どの自我を手放しかけ、記憶も薄らいでいるというのに。

宝石がついてくる様を見て、脳裏にピク〇ンとかド〇クエ……みたいな言葉が浮かんできた。
殆どの感情が水で薄めたように希薄にも関わらず、シュールだという感情を抱いた。
2025-11-16 20:11:12 #288
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
ビー玉の後ろに宝石がついてくる。
つつつつ、とついてくるその仕組みが一体どうなっているかはビー玉にも分からないが、多分そういうものなんだろう。
大体貴方が浮かべたそれだ。

「……」

暫く黙ってそうしていたが、ついてくるのは宝石だけではなく貴方もなので。

「なんでお前は付いてきてンだ」

そうしてる間にも近場の宝石が、ゆっくり吸い寄せられて列の末端に並んだ。
2025-11-16 21:45:37 #289
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
大名行列……

列を成して行進するビー玉と宝石に、そんな言葉を漏らした。
男はその一番後ろをついて歩きながら、見つけた宝石を拾い上げていく。
途中で声をかけられれば、ゆっくりと瞬きをした。

「俺も集めなくてはならない」
2025-11-16 21:49:18 #290
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「………………」

恐らく。このビー玉にも今の光景に思う所はあったのだろう。
特に何を言う事もなかったが、微動だにしない銃数秒間がたっぷりあった。

「態々同じ場所でか?
 別ンとこもあるだろうがよ」

多分。
2025-11-16 21:52:11 #291
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
何だか気まずい沈黙が両者の間に流れた。
普通とは違うこの二人がそれを気まずいと思ったかどうかは分からないが、変な数秒間は明らかに互いに分かる形で発生した。
気まずいかどうかは兎も角として、その光景に何か思ったという一瞬だけ二人は同じだったのかもしれない。

「じゃあ、別のところ 行くか?」

此処からは見えないどこか遠い場所を指差す。
何処に繋がっているかも分からないこの草原からは、その先は不明だが。
2025-11-16 22:27:18 #292
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
はたから見ればそれは気まずい沈黙だっただろう。
気まずいと思う精神はビー玉には無かったが、妙な時間が流れたのは確かだった。

ともあれ、そんな間が挟まろうとも会話は続く。
奇妙なことに。

「行くならてめェ一人で行きゃ良いだろ」

ビー玉は相変わらず辛辣だったが。
2025-11-16 23:05:18 #293
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
ノースにも気まずいという感覚はなかった。
気まずいというか、どこか生々しさのある会話だと感じた。
知的生命体であるが故の、空気の読み合いの様な奇妙な間だったから。

「自由になりたいなら一通り回るべき」
「君の効率の悪い身体で、それが速やかに可能か?」
2025-11-16 23:10:34 #294
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
…………

ちゃんと人の形をした体で、ちゃんと顔があったのなら、今まさにビー玉はひどいしかめっ面をした事だろう。
一通り回るのも兎も角、貴方の言う事はもっともで、効率が悪い身体というのもそうだ。

「……確かに俺に不都合な身体だけどな。
 じゃあ何か?お前が俺の足になるってのか?」
2025-11-16 23:13:44 #295
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「事態は簡単なようでいて、そうじゃないと思う。
 こういう時、人でないものは──大抵、理不尽を押し付けてくる」

どこか浮ついていた今までの言葉とは違う、実感を伴った言葉を零す。
それだけはその場限りではなく、ノースという存在が実体と共に吐いた本心だった。

「俺と君がいる、ということはきっと 此処にいるのは俺達だけじゃ、ない。
 集められる宙が有限だったら、君は二度と自由を得られないかもしれない。
 一人だけではないということは、この宙集めには誰かの存在が必要になる可能性があるのだろう」

ノースポールは最初と違って、ただしゃがんで掌だけを差し出した。
自分を“利用”するかどうかは任せるとでも言うように。

「俺の存在を何にするかは、俺の目の前にいる者次第だ」

それは能力が効こうが効かなかろうが変わらない、ノースポールの生の形。
他者に定義されることによって存在を保つのが目的。

それがないと、いつかの果てにはまた壊れてしまうから。
“ノース”もまた、貴方を利用しようとした。
2025-11-16 23:27:58 #296
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
貴方の話に耳を傾けるだけの理性はあった。
理屈を飲み込み、馬鹿にしたりひたすら跳ね除けるだけではないのは、明確に以前と異なる所だろうか。

それはひとえに、今現在、この存在が力の無い者に分類されるからか。

が、如何せん精神の奥底でぐるぐると煮えるものがある。
他に誰かの存在がいる可能性。
故に脅かされるかもしれない自由。
差し出される手。

「――……」

手が、腕があったのならば。きっと反射的に弾いていた。
首を竦め、下から見上げるように睨めあげていた。

それができない身体だったというのは、ある意味で幸いではあっただろうか。
その分、もう少し冷静に言葉を考える事ができた。

「会ったばかりの得体の知れねェ奴に、そういう事を持ちかけるのは大抵は何も考えてねェ馬鹿か、とんだお人好しか、てめェ自身に何か目的か理由があるかだ」

「お前はどれだ?」
2025-11-16 23:48:25 #299
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
男は貴方が思考を巡らせる途中、何処かに向けて牽制するように目を向けた。
見えない何かに釘を刺し、それからもう一度目の前の貴方を見下ろす。
差し出された人間味のない肌色の手は、まだそこにある。

問われれば、少しだけまた視線を動かした末に口を開いた。

「目的が、二つある」

「これは俺に、利のある行為。
 少なくとも……俺は決して、お人好しじゃ ない」

わざわざ危害を加えることもないが、進んで善行をするでもない。
そんなやり取りを自分自身がどうやっていたかもよく分からない程、ノースポールは希薄な存在だった。
それを甘んじて受け入れていた、最早自分なんてほぼないも同然だったから。

誰かの為に会いたい人を演じるのは、優しさなんかじゃない。
貴方に今していることと全く同じだ。

「ひとつは、」

ゆっくりとノースポールは差し出していた手と、もう片方の手を草原につかせて。
貴方の隣に寝転がるようにして、その暗い色を覗き込み。
まるで聞かせたくない誰かがいるように、そっと耳打ちするように囁いた。

2025-11-17 00:50:06 #300
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)

「俺も、」



「──自由になりたいんだ」

2025-11-17 00:51:45 #301
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
思考中、貴方がしていた所作には気付かない。
気付いていたとしても、何を言う事も無かったけれど。

「…………」

目的が二つ。
剣呑な空気感は、ほんの少し和らいだ。
つまり貴方もこちらを利用しようとしている、という事になり、それはそれで腹立たしい気持ちが湧くけれど。
お人好しだとか、善行だとか、優しさだとか、そういった類よりかはよっぽどマシだった。

ヒトの言う所の、そういう暖かく光あるものがとかく、嫌いだ。

それならば何も考えていない馬鹿の方がずっと良いし、利用しようとしてくる奴の方がまだマシだった。

魔力の殻の中、渦巻く闇はぐるぐると巡って混ざって、覗いてくる貴方をガラスのような膜が映す。

「自由ねェ。何から?」

自由になりたい。
つまり貴方を縛る何かがあるのだろうとこれは考えた。
2025-11-17 01:14:01 #303
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
馬鹿を装うという道も選択肢にはあった。
しかしそうしなかったのは、この場合貴方にも自分にも目的があるからだ。
それならば素直に利害の一致を狙う方が簡単だ。

気だるげで虚ろな瞳に一瞬だけ我欲を映していた男は、一度目を閉じて呼吸をした。
夜の帳が下り、周囲の空気が冷えて雪のちらつく中、青臭い花の匂いを嗅いだ。

「俺の行動を縛る奴から」

未だ声は密やかで、貴方にだけ聞かせるような体を取っている。
どこかからちくりと視線が刺すような感覚。貴方への嫌悪感や敵意が降る。
2025-11-17 01:16:09 #304
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
ちらちらと空から降る雪は、体温などあるはずもないこの球体にそのまま積み重なっていく。
今は白いそれが、点々と乗っているだけだけど。

「へェ。縛る奴ね。
 そりゃ難儀なこったな。つまりてめェ自身でどうにもならねェ相手ってことか」

なるほどな、なんて相槌を打ちながら、こちらは普通に声を響かせる。
誰かに聞かれる事を厭うような、密やかな声も気にせずに。

――そうして嫌悪感や敵意の類に、これは。

「……あァ?へえ、なるほどな?良いねェ良いねェ!

何処からか感じた嫌悪感。
ほんの一瞬でも、ほんの少しでも、これはそれを吸収した。
敵意はどういった感情から来たものだろうか。
いずれにせよ、負の感情を糧にし無尽蔵に己を強化する性質を持つこの存在は、大層歓喜した。

「良いな、お前もしかして見られてンのか?
 監視でもされている?」
2025-11-17 01:27:02 #305
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
お互いに雪が少しずつ積もる。
人間の形をした此方も、寒さを感じないのか震えたりもせずじっとしている。
未だこうして伏せているのが正解だとでも言うように。

「そう、いうことになる」

貴方に声を小さくしろとまでは言わなかった。
どちらかと言うと聞かせたくないのは、自分の意思の方だ。
それを貴方の声で繰り返されたとしても直ちに強い影響には至らない。

それから何かに気づいた様子の貴方を見据えて、反応の意図を探る。
此方からも“彼”が何を考えているかは分かる──故に、凡その推測をして次の言葉を選ぶ。
その間も負の感情らしきものは降り注いでいる。

「見られている 今の場合、君も」
「俺は……実験体、と言うのが正しいか」
2025-11-17 01:33:17 #306
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
これは少しだけ左右に身を揺らした。
降り注ぎ続ける糧となる感情が、心地良い。
そうだ。こういったものが何よりも己の力になり、糧であり、そういうものを食らって形を作った。

貴方とこうしている事で餌が自動的に降ってくるようなものだ。
この忌々しい殻を壊すのも、そう先の長い話ではないかもしれない。

「気に食わねェって感じだな、俺にとっては利点しかねェが。
 ただの監視を俺もされンなら不愉快極まりないが、嫌悪してくンなら話は別だ。
 どうせなら増悪までなってほしいモンだが」

ぐるぐる、ぐるぐる、忙しくなくビー玉の中の闇が混ざる。揺れる。
ひどく楽しそうだった。

「さて。へェ、実験体?何だ、じゃあ元は普通の人間か何かか?」
2025-11-17 01:41:35 #309
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「誘導すれば、或いは」

より声を潜めては、貴方の思い通りになる方向を指し示す。
それを“憎悪”にまで昂らせられる可能性を、自分は知っている。
貴方に極上の其れを差し出せると囁く。

「普通の人間……何の変哲も、ない。
 それ以外あまり、今は 思い出せないが……」

「ファントム、 ……ひとつ、確認したい。
 君にとって 負の感情は一体、どういうものだ」

問われることに答えながら、ノースもまた貴方に問う。
推測こそすれどまだ明確ではない、貴方にとっての其れの意味を。
2025-11-17 01:46:46 #311
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「…………へェ」

貴方のその言葉は、例え貴方に利用されるという点を考えても協力してやろうという気にさせる事だった。
無論これは性根から、生まれから悪であり、影であり、闇であり、殻を破るという第一の目的を果たした後も手を取るかというと甚だあやしいかもしれないが。

「ふゥん、記憶が曖昧になってンのか。
 実験とやらの影響かね、記憶も、どっかぼんやりしてンのも」

貴方の事を考えるくらいには乗り気だ。
そうして問いかけには、吐き出すようにハッと笑う。

「餌だ。憎悪、恐怖、怒り、なんだって良い。
 そういったものが何よりも俺を強くし、俺の力になる。
 俺はそういうものが――大好物なんだ」
2025-11-17 01:59:37 #313
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「俺に執着しているから、俺に何かが寄るのが気に食わないんだろう。
 それこそ……無限にも感じる程の時間、俺を連れ回す程に好まれてる。
 今までは邪魔が入らなかったけど、今は……そうじゃないんだ」

今此処に、隣に貴方がいるから。
しかもその相手は“彼”以外に、ノースポール本人を認識できる非常に珍しい存在。
それこそ嫉妬に狂ってもおかしくない条件は揃っている。

「何度も、……世界を移動して、何度も死んで 変わって。
 そうしていたら、よくわからなくなった」

最早この身体の何処に、自分が最初から持っていた部位があるか判断ができない。
他人から“誰か”として扱われ、自分らしさを喪っていくうちに、境界は曖昧になった。
続いて得られた答えには、予想との合致に小さく一人頷く。

「“彼”にとって、負の感情は……天敵だ。
 あの子の餌は正の感情で、負の感情が傍にあるのすら嫌がる。
 そのくせはぐれ者だから……負の感情をコレクションする、変わりものでもあるけれど」

「君の存在は、“彼”にとって最大の障害と言える」
2025-11-17 02:08:08 #314
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「はァ~~~~それはそれは。
 随分と愛されてンねェ」

声色は、酷く楽しげで、酷く享楽的なそれだった。
愛されている、と揶揄るように言葉にする。
長い時間、貴方を連れ回し、邪魔が入らない中できっと好きなように貴方を見ていたのに、こうして自分という邪魔が入った。

ぜひ目の前に出てきて貰って、存分に負の感情をぶつけて欲しいくらいの何かだ。

「普通の人間で何度もそうなりゃア、おかしくなって当然だろうなァ」

軽い調子で言葉は続いた。
普通の人間は長過ぎる時に耐えられないし、何度も死ねば気が触れる。そういうものだ。
そういう、弱くて惨めな生き物だ。

「コレクション?随分と良い趣味してンな、嫌がる癖に何してんだそいつ。
 ま、いずれにせよ俺の存在は随分邪魔だってのは分かった」

「俺は天敵そのものつっても良いくらいだろうなァ。
 なら、お前も俺を利用しがいがあるってわけだ」
2025-11-17 02:20:57 #315
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「そうだな……愛されては、いるんだろう」

揶揄されても受け入れる、それだけ愛されている自覚はある。
嬉しいとは一片たりとも思わないが純然たる事実だった。
こうしているだけでもじわじわと苛立ちや嫉妬が溜まっているのだろう、何処かからの視線は突き刺さる。

「もう自分が人間かも分からないが、身体能力は似たようなものだしな。
 許容量はきっと多くない」

心や記憶を司っている脳ですら、今は自分のものか分からないが。
それでも色んなものを忘れてきたということは、それがすり替わろうと耐えきれなかったということだ。
これもまた見た目は兎も角として、そういう弱い生き物に過ぎない。

「興味がある、のと……同族に対する、嫌がらせの為か。
 “彼”にとって君は邪魔で、君にとって“彼”は恰好の餌食だ」

「君自身からも負の感情に似た気配があるから、余計だろう。
 俺は君の傍にいれば、“彼”からの干渉を退けやすくなるし……俺の存在を保つ為にも、他者の存在は役立つ。
 君は君で無限に食事を得られて、手足を使える」
2025-11-17 02:32:23 #316
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
フン、と馬鹿にするように鼻を鳴らすような音。
存在は見えないがずっと供給される”餌”には上機嫌ではあるが、自分で口にしておいて愛だのの類もまた嫌悪対象ではあるが故に。

「お前弱っちィだろうしな」

口さがない。
これまでの印象、希薄な感情だとか、そういうものからの印象をそのまま言葉にする。
貴方が人間であろうと無かろうと、これには関係がなかった。

自分にとってはヒトに分類されるものと等しく変わらないといえば変わらないが。
自我があり、感情があり、形があり、何かと、誰かと共に在り、等々。
何かを幾つか満たせば変わらず己の嫌いな存在だ。

「随分と小せェしみみっちぃ嫌がらせだなぁオイ?
 はー、たかが知れてんなそいつ。
 まァ?見ているだけの奴に?大した事なんざできるわけがねェよなァ!」

けらけらとビー玉は笑った。
笑って、中身を揺らしながら球体の身体も左右に揺れる。

「……ま、なら構わねェぜ。
 俺の利点がでけェし、こんだけ俺の力になるモンくれんなら何だって良い。
 好きに傍にいりゃ良い」
2025-11-17 02:47:14 #317
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
機嫌が良くなる、悪くなるタイミング。
会話の中から得た情報から、貴方のことも多少理解ができてきた。
間違いなく、貴方は自分を攫った存在とほぼ真逆だろうと。

「間違いないな……戦闘経験とかはない」

そもそも此処に来て貴方と出逢うまで、ずっと意識すら朦朧としていたに近い。
誰かと対面し、対象の焦がれる人物の皮を着ないと意識をはっきり保てない。
今こうして口数が増えているのも、貴方に対して演じる以外の目的意識が芽生えたから。
それがなければこの男は人形も同然だ。

そうやって自由意志と肉体を奪われただけで、内部的にはほぼ人間と同義だろう。
特異なものと言えばやはり能力だが、貴方には効かないので。

「集めた負の感情が命のひとつやふたつを奪いかねないほど、彼らにとってそれは毒だから。
 俺は知らないけど……はぐれ者になったのも、同種への恨みが原因なのかもしれない」

煽り文句に反応したのか、貴方を恨むような意識が強くなった。
監視している何かはどうにも単純らしい。

「じゃあ、そうさせてもらう。
 君が自由になる手助けもしよう」
2025-11-17 02:55:24 #318
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「だろうなァ~~~~」

戦闘向きの能力でもなければ、そういう身体でもない気がした。
貴方がこれまでどんな状態で在ったかは知らないが、まぁそもそも積極的にそういう事に関わりそうには見えない。
というか積極性があるかもあやしい。

最初に比べれば互いに意思疎通というか、会話が増えたのは互いに利用できる価値が強くあるからか。

「集めたそういうモンを俺が喰ったらキレそうだな。
 或いは泣き喚くか?憎むか?何でも良いがそういう機会がありゃァ奪って喰い散らかして、是非とも歪んだツラを見てェもんだ」

一拍。

>
2025-11-17 03:09:24 #319
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「……にしても随分とカ~ワイイんじゃねェのそいつ。
 恨みがあっても実行すらしねェ小心者で?
 たった一人に執着して?連れ回しはするが見てるだけしかできねェみみっちぃ奴で?
 あっはっは!傑作だ。そいつが執着してるお前にてめェが嫌な奴が傍にいるのに、恨みがまし~~……く見てるしかできねェなんて、あ~~~ぁ!お可哀想になァ!」

……それはそうとしてこういう時は非常に饒舌になった。
より恨みがましい視線を向けられ、その感情を喰らい、馬鹿にするようにけらけらとまた笑う。

はー……とある程度落ち着いた所で貴方の方へ少し転がった。

「ま、俺の方はそう時間もかからねェだろうよ。
 自動で飯をくれる奴がいンなら話は早ェ。
 拾い集めるモンも合わせてあっという間だろうなァ。
 ……さて、話は纏ったな、とりあえず戻るか」

「久々に大笑いさせてもらったぜ」
2025-11-17 03:09:30 #320
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
「そういう時は大人しく殺されるだけだ……」

最初こそ抗っていたかもしれない。
ただ、いつからだろうか。どんな戦争や事故の中にいても黙って立ち尽くすのみになった。
貴方の思う通りに、この男は戦うどころか死から抗う積極性すらない。
どうせ生まれ変わってしまうから。

「分からない……そういうことを試したことがない。
 でも怒るとは思う、“彼”もまた間違いなく生き物で感情がある……のは、現状でも分かることか」

雪よりも鮮烈に降りしきる黒い感情。
いつの間にか一人と一個は随分と雪に降られて白く染まっていたが、きっと体温を気にしないお互いにとっては白よりもその黒の方がより印象に強かっただろう。

2025-11-17 03:20:41 #322
> ファントム(6)
ノースポール (ENo.2)
恨みと憎しみはより一層強くなる。
貴方の存在自体が負の感情そのもののようで近づきたくもないのに、寵愛するそれが隣にいるのがとてつもなく不愉快で。
声を潜めてさえも何か自分にとって良くない企みを話しているのが分かることが、尚更嫉妬を強くさせた。

──それでも何もしてこない。してくる気配がない。
出来る手立てがないのか、それとももっと別の理由か。
貴方に感じられるのは負の感情と突き刺す視線で終わった。

「……そのうち血管が切れそうだ」

此方は貴方のように感情をしっかりと感じることは難しいが、“彼”の性格はよく知っている。
こんな風に言われてきっとまともじゃいられないことも。

転がってきた貴方を目で追いつつ、雪を払いながら漸く身体を起こした。
最初の時のように摘まむことはせず、改めて手を差し出す。

「あとは集める宙が、どれだけ厳しいか。
 どの程度集めるべきか……それで世界に、本当に満足してもらえるか。
 懸念はそれくらい、か」

「楽しいならよかった」

貴方が掌に乗ってくるなら、そのまま足として好きなところに運ぶだろう。
2025-11-17 03:20:56 #323
> ノースポール(2)
ファントム (ENo.6)
「ふゥん。つまんねェ奴」

端的に、そう返した。壊れた人間の挙動にも近いだろうか。
壊れきってはいないのだろうが。
何せ自由になりたいだなんて言うのだから。

「いつかやってみてェもんだな。
 ま、感情がなきゃ恨みがましい視線も寄越さねェだろうし、反応もしねェだろうさ。
 つーかコレクションなら相応は溜めてンだろきっと、喰らえばどんだけ俺の力になるか」

なんて想像しながら、差し出された手に転がり乗る。
何をしてこようがしなかろうが何だって良い、糧が注がれるならそれで十分だ。
他のことはいつかの楽しみにしておこう。
できるかどうかは置いといて。

血管が、という言葉にはまた大いに笑った。
そこには馬鹿にするような色も含まれている。

「ンなもん今の時点で考えたって仕方ねェだろうよ。
 とりあえず街だ街、お前寒ィとかもねェのか?
 だとしても人間の形してンなら休む事くらいはすンだろ。
 住み着く場所くらいは見つけろよ」

「ついでにこの俺のじゃらじゃらしてンのも邪魔だからよォ、お前が住む場所に置かせろ」

ちなみに。
宝石も一緒に貴方の掌に乗っただろう。
2025-11-17 03:31:02 #326